「　東吾郎はんも　　真面目そうな顔して 　　けっこう商売　　しはるさかいな〜　」 『　節子はん　　なに言うてはりますねん　　お客さま第一どすわ〜　 　　ここらあたりで　　どないどっしゃろな〜　？　』 …

今夜は 卯厨婆がな 最初 ちょっと贅沢 しょうか 言うて 祇園の月庭寿司に来てるんどすわ 小腹満たしてから 酒はこのあと善さんの おでん屋どすわ ここは ずっと居ると肩こるさかいな

♪      恐れおおきは　　月姫さまよ〜　チャララン 　　二十日月夜の　　更待月に〜　チャラン 　　身体 冷やしちゃ　　なりませぬ〜 　　せめて 羽織を　　お召し〜ま〜せ〜　　♪ 　　イヨッ　月庭屋…

♪ チャララン そこにおわすは 月姫さまか〜 いいえ わたしは 旅の者〜チャラララン なぜに 扇子をかざされる〜 還れぬ月を 眺めては〜 父母の御霊を〜　　ヨッ！弔うて〜〜ま〜す〜　ハッ ！ チャララ…

番傘 合図に佐吉を 見送ろ 思うてな 夜の 嵯峨野へ来てみたんやけど . . . もう 還った後 どしたわ あれらはな〜なんぼ 永う 居とうても 月が ２周するまでが限度やさかい . . . . ま …

「　ほれ見   ！　　きれいな チョウチョやろ　」 　　ちょっと 待ってみいや 　　あのな　　これは . . と、 　　天の橋立にしたろか 　　こやったかいな ？　　ん ？　ありゃ 「　ケケケケッ　　…

「　それにしても　　大きな月やな〜　」 　　なんや 今回の月は　　ひときわ 綺麗やな〜 『　心が洗われますわ〜　』 「　なんぼ 月が 綺麗でもな　　中には よこしまなモンも　　いてるさかいな　」 　　…

「 ありゃ りゃ りゃ . . . 　 卯厨さん  ！ 　 もうちょっとやいうところで　 えらい 降りだしよったな 」 『 節子はん　！ 　 足元 滑りますさかい　 気いつけて おくれやす 』 「 あ…

今日のお昼はな 長岡京で出張演奏どすわ ここも かつては都やったんどすわ . . . いうことでな 今、「 錦秋の月庭 」を弾いてますねん ええ気分どすわ

巷も そろそろ 金木犀が薫りはじめましたやろ この季節になるとな 妙に 文化人を気取りとう なるんどすわ 大婆は鼻が 効きよるさかいな 香の席では いっつも忍び笑い してきよるんどすわ