梅雨走る  涼やか土塊  お茶の午後

『 お茶が 入りました . . .  雨もう 上がるみたいどすわ  』 「 ええ風 つれてきよる  これで  枝豆が一息つきよるわ 」   大婆は  枝豆のことばっかりやさかい 「 ふっふっふ  枝豆…

新月流  家元 節子が  花を生け

『 この世は まっこと  修行であるのう   節子どの 』 「 そうおすな〜 」 パチッ! 『 新月の朝を迎えて  また成長の旅路を いただいた 』 「 そうおすな〜 」 パチッ!   も〜 、 大婆…

夏草の  山泳ぎたる  天の風

   和尚さん   あ、じゃなかった  宮司さん こんにちは 「 カグヤ殿   よう来られたのう 」   もう、フラフラどすわ 「 ハッハッハ けっこうけっこう  卯厨さんも 健脚であるのう   節子…

茶道とは  わずか二畳に  宙があり

  最近つくづく  お茶の幸せを感じるんどすわ 「 それはええことじゃ  内面が育っておる証拠じゃ   わずか二畳の空間じゃが  逆に心は 解き放たれる . . .  」   なんや 夢見てるような …

月庭や  今宵 満月  龍を 描く

五月の朝の この作業はほんま すがすがしいんどすわ これがなやり始めるとけっこう ハマりますねん 婆は祇園にいるころからこれがしたかった らしいどすわ 大婆はもう作庭のプロ言われててな ヘアピンの節子…

諸々を  手放す果てに  見えるもの

姐さん なんか悩んでるとかちょっと 漏れ聞いたけど . . . 「 ふふふ 悩みなんて あらへんよ スッキリした顔 してるやろに 」 ありゃりゃ、姐さんウチからしたらもう雲の上の人になってるわ 「 あ…